【4月13日 MODE PRESS】現代美術作家の杉本博司(Hiroshi Sugimoto)の個展「杉本博司 ハダカから被服へ (Hiroshi Sugimoto: From naked to clothed)」が、東京・品川の原美術館で7月1日まで開催されている。人類と被服が織り成す歴史を、杉本ならではの視点で、時に鋭く時にユーモラスに捉えた作品が一堂に並ぶ。

■「スタイアライズド スカルプチャー」を中心に

 展覧会は、ガブリエル・シャネルやイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)、三宅一生(Issey Miyake)、川久保玲(Rei Kawakubo)といった20世紀を代表するファッションデザイナーの作品を、ひとつの彫刻(スカルプチャー)として捉えた「スタイアライズド スカルプチャー」シリーズを中心に構成。これに「ジオラマ」「肖像写真」シリーズや、杉本がデザインを手がけた能楽装束、自ら収集した美術工芸品など、幅広いジャンルの作品を織り交ぜ、さまざまな角度から「装う」ことの意味を問いかける。

 会見に出席した杉本は「人類史全体の中で衣服をまとうことがどういうことなのかを考え、立証するような展覧会にしたいと思った。人類は、自意識があるためハダカではいられない。文明史としてみても面白いものがあるのでは」と語る。

■作品キャプションに注目!

 今回の展覧会で作品とともに注目したいのは、作品に添えられたキャプションだ。杉本自らが執筆したこれらは、単なる作品解説にとどまらない。軽妙でウィットに富んだ文章は、見るものを杉本の世界にぐっと引き込んでいく。

 これについて「静謐な写真家というイメージを、だんだん裏切っていきたい」と杉本。「展示は紙芝居仕立てで、キャプションを読むとその先に作品があり、ふっと笑って次に行くような流れになっている。読み始めると全部読まないといけないので、滞在時間が長くなってしまうかもしれません」と加えた。

【イベント詳細】
杉本博司 ハダカから被服へ
会期:2012年3月31日(土)~7月1日(日)
会場:原美術館/東京都品川区北品川4-7-25
開館時間:11時~17時(水 曜は20時まで/入館は閉館の30分前ま で)
休館日:月曜日(祝日にあたる4月30日は開 館)、5月1日
入館料:一般1000円、大高生700円、小 中生500円/原美術館メンバーは無料
学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20名以上の団体は1人100円引
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【関連情報】
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