【4月9日 AFP】前月クーデターが起きた西アフリカ・マリのアマドゥ・トゥマニ・トゥーレ(Amadou Toumani Toure)大統領が8日、正式に辞任した。これにより、クーデターによる軍政から民政に戻る道が開かれた。

 仏ニュース専門テレビ局「フランス24(France 24)」が放映した映像のなかで、痩せ細ったトゥーレ大統領は「辞任を決意したのは愛国心からだ」とする辞任声明を読み上げた。同大統領の姿が公に見られたのは、クーデター後初めて。

 反乱軍側は、西アフリカ諸国経済共同体(Economic Community of West African StatesECOWAS)の調停案の下で、大統領が正式に辞任した後に民政を回復させる姿勢を示していた。調停案にはECOWASがマリに課した制裁の解除と、クーデター関係者を罪に問わないという条件も含まれている。

 ECOWASとの合意に基づき、暫定首相にはマリ議会のディオンクンダ・トラオレ(Dioncounda Traore)議長が就き、40日以内の総選挙実施を目指す。暫定首相はトゥアレグ(Tuareg)人反政府勢力がマリ北部を掌握した事態への対処も迫られる。

 トゥアレグ人反政府勢力は6日、一方的に北部の独立を宣言した。しかし国際社会はもちろん、かつて良好な関係にあったイスラム武装勢力もこれを認めていない。(c)AFP/Serge Daniel and Coumba Sylla