【3月29日 AFP】フランスのニース(Nice)で開催されている世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2012)で、日本フィギュアスケート界のスターである浅田真央(Mao Asada)は世界王座の奪還を目指している。

 2010年バンクーバー五輪の銀メダリストで、2008年大会(ISU World Figure Skating Championships 2008)、2010年大会(ISU World Figure Skating Championships 2010)で優勝している浅田だが、ここ数シーズンはトレードマークにもなっているトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に苦しめられた。

 現在、トリプルアクセルを頻繁に演技に取り入れる女性フィギュアスケーターは浅田のみだったが、2011年大会(ISU World Figure Skating Championships 2011)ではショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)の両方で同ジャンプに失敗し、結果も6位に終わった。

 その後の11-12フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦のNHK杯(NHK Trophy 2011)では準優勝、第6戦のロシア杯(Cup of Russia 2011)では優勝を飾ったものの、武器であったトリプルアクセルは封印したままだった。

 しかし今シーズン、浅田はトリプルアクセルの精度を取り戻しつつある。2月に行われたフィギュアスケート四大陸選手権(ISU Four Continents Figure Skating Championships 2012)では、SPとFSの両方でトリプルアクセルを披露し、回転不足と判定されたものの、準優勝を果たした。

 浅田は、「またトリプルアクセルに挑戦できるようになったことがとても嬉しい」と、再び競技の中でチャレンジできたと満足気に話した。

 また浅田は、2011年12月に行われたグランプリ(GP)ファイナルを母の浅田匡子(Kyoko Asada)さんの病状悪化を理由に欠場し、帰国の途に就いた。匡子さんは急逝したものの、浅田は同月行われたフィギュアスケート全日本選手権では2年ぶりの優勝を果たした。

 今大会は、バンクーバー五輪で金メダルを獲得した韓国の金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ)や2007年(ISU World Figure Skating Championships 2007)、2011年大会で優勝した安藤美姫(Miki Ando)が出場を見送っているため、浅田のライバルは四大陸選手権で及ばなかった米国のアシュリー・ワグナー(Ashley Wagner)やイタリアのカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner)になるとみられている。

 女子シングルは、29日にSPが行われ、31日にはFSが行われる。(c)AFP/Shigemi Sato

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