【3月8日 AFP】シリアのアブド・フサメディン(Abdo Hussameddin)石油鉱物資源副大臣は7日、政権から離脱し反体制運動に加わる意向を表明した。反体制派がユーチューブ(YouTube)に投稿した動画で明らかになった。

 動画の中でフサメディン氏は「技術者であり副石油相でもある私、アブド・フサメディンは、辞職と政権からの離脱を発表する」と述べ、「自由と尊厳を求める市民を押しつぶそうとしている政権による不正と残虐な弾圧を拒否する人々の革命に加わる」と付け加えた。

 政権を離脱する理由について同氏は、「シリア政府に33年間尽くしてきたが、犯罪者政権に尽くして人生を終えたくはない」と述べ、他の政府高官にも「沈みかけた船」を放棄するよう呼びかけた。

 また、拒否権を行使したロシアと中国を「シリア人民の友人ではなく、シリア人民殺りくのパートナーだ」と厳しく非難した。フサメディン氏は、1年前にバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に対する抗議デモが発生して以来、政権から離反した最高位の人物になる。

 フサメディン氏の辞任宣言動画を撮影してユーチューブに投稿したというシリア人活動家男性は、レバノンのベイルート(Beirut)でAFPの取材に応じ、反体制派が同氏の辞任を支援したことを明かすとともに、安全上の理由から、動画を撮影した場所を公表しないよう求めた。

 フサメディン氏が辞任を宣言した数時間前には、レオン・パネッタ(Leon Panetta)米国防長官が、シリアの反体制派に無線機など非致死性の物資を届けることを検討していると述べていた。米政府がシリア反体制派への直接支援を示唆したのはこれが初めて。(c)AFP