【1月3日 AFP】31日夜、都内の警視庁丸の内署に出頭し、逮捕されたオウム真理教(Aum Supreme Truth)元幹部、平田信(Makoto Hirata)容疑者が、当初は警視庁本部に出頭したが相手にされなかったと供述していることが分かった。

 3日の国内各紙によると、特別手配されながら17年近く逃亡してきた平田容疑者は、31日午後11時35分ごろ、東京・霞が関にある警視庁本部に出向き、警備に立っていた警官に「平田信です。出頭してきました」と告げた。

 しかし、これを悪質ないたずらだと思った警官は、平田容疑者に700メートル離れた丸の内署へ行くようにと応対した。そこで平田容疑者は再度「特別手配犯の平田です」と言ったが、警官は同僚らに相談することもないまま、やはり丸の内署へ行くようにと言って立ち去らせていた。

 この約15分後、平田容疑者は丸の内署に1人で出頭し、逮捕された。

 平田容疑者は、1995年2月に発生した信者の兄(当時68)の拉致監禁致死事件に関与した容疑で特別手配されていた。

 朝日新聞(Asahi Shimbun)によると、平田容疑者は1995年の手配写真よりも髪は長かったが、顔や体の特徴に大きな変化はなかった。

 またNHKなどによると、平田容疑者は出頭前、情報提供を呼び掛けている警察のフリーダイヤルにも電話したが、この時も相手にされなかったと話しているという。

 毎日新聞(Mainichi Shimbun)によると面会した弁護士には、自分の関与が取りざたされたことがある警察庁長官狙撃事件が時効になって、早く出てきたかったと語っている。また、東日本大震災で多くの不条理を目にして出頭する気になったとも話しているという。(c)AFP