【11月30日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で史上最年少でのドライバーズタイトル2連覇を達成したレッドブル(Red Bull)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel、ドイツ)が、3連覇に向け2012年シーズンも全力で臨むと語った。

 感謝の意を示すため、チームのエンジン供給元であるルノー(Renault)の工場を訪れたベッテルは、「2012年に何が起きるはわからない。うまくいく保障はどこにもない。来シーズンは、ただポイント獲得に挑戦しているかもしれないし、たまに表彰台に登るようになっているかもしれない」と話し、「表彰台も、優勝も、当たり前のものだとは思ったことは一度もない。ついこの前まで、トロ・ロッソ(Toro Rosso)のマシンに乗っていた。あの頃は18番手スタートだったけれど、誰も注目してくれなかった。たとえ素晴らしいレースをして16位でフィニッシュしても、同じように誰も興味を示さない。そういうものなんだ。だから、定期的に見通しを立てて、初心を忘れないことが大事だと思っている」とコメントした。

 24歳のベッテルは、2011年シーズンは19戦中11勝を記録して2連覇を達成したが、「タイトルの獲得は目標だ。でも、世界中の優れたドライバーを相手に戦っていることを意識している。もちろん負ければ悔しいけれど、敗因は必ずあって、同じミスを確実にしないようにすることが大事だ」とタイトルへのこだわりを口にした。

 また、1992年シーズンにナイジェル・マンセル(Nigel Mansell、英国)氏が打ち立てた、1シーズンでの最多ポールポジション記録を更新したものの、謙虚な姿勢で、「自分は特別秀でている人間だとは思わない。エイドリアン(レッドブルのテクニカル・ディレクターを務めるエイドリアン・ニューイ(Adrian Newey))が言っていたように、自分の役目はエンジンとフロントタイヤの間のスペースを埋める、いわば機械の中の歯車に過ぎない。もし、しっかりと機能しなければ、つまり簡単に言えば、エンジンが動かなければポイントが取れないという代償を支払うことになる。自分自身のミスも同じこと。F1 というのは、全ての役目が1つになって初めて機能する」と話した。

 また、自分が伝説のドライバーの一員として賞賛されることについても、「あまり考えないようにすることで、自分を守っているのだと思う」と明かした。

「フォーミュラワンが大好きで、マシンを運転することが好きだ。F1の歴史や規律も崇拝している。そんなスポーツに関わって、『僕の実績を、アラン・プロスト(Alain Prost)やアイルトン・セナ(Ayrton Senna)、ジャッキー・スチュワート(Jackie Stewart)やヨッヘン・リント(Jochen Rindt)と比べてみてよ』と言えることはすごいことだ。でも、これはたまに考えるくらいが良くて、思い上がりすぎるのはだめだと思うよ」(c)AFP/Joris Fioriti