【11月28日 AFP】ドイツで27日、放射性廃棄物を積んだ列車の運行を阻止しようとする反原発デモの参加者数千人と、警官隊が衝突した。デモ参加者多数が線路をふさぎ、列車の運行は遅延している。

 フランス北西部の再処理センターからドイツ北部の貯蔵施設まで全距離1200キロを移動する列車は、18時間ほど停車した後に移動を開始したが、デモ隊の妨害で、4時間で約30キロほどしか進むことができなかった。列車は日本時間28日午前3時ごろ、目的地のダネンベルク(Dannenberg)まであと30キロほどのLemgrabeで止まっていた。

 警察当局によると、これまでにデモ参加者約1300人を拘束。線路に体を縛りつけていた市民もいたため、線路から引き離すのに時間がかかったという。また、独DPA通信は治安部隊の話として、衝突で150人が負傷し、その大半がデモ参加者だと報じた。

 一方、ダネンベルクまでの線路に集まった数千人のデモ参加者は、ことしの輸送時間はすでに、前年かかった92時間を超えたと豪語している。

 輸送されている放射性廃棄物は数年前にドイツの原発で発生したもので、フランスで再処理されていた。23日、ノルマンディー(Normandy)地方バローニュ(Valognes)にある仏原子力大手アレバ(Areva)の敷地内から列車で出発した。

 デモ隊は、使用済み燃料棒を列車で輸送するのは危険だと批判。また、数千年後まで危険な放射性廃棄物を恒久的に保管する施設は、欧州各国と同様、ドイツ国内にはないと訴えている。(c)AFP/Frederic Happe

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