【11月3日 AFP】パレスチナは10月31日、国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の正式な加盟国として承認され、世界遺産(World Heritage)の登録申請が可能になった。パレスチナが世界遺産登録を目指す20か所の遺跡や場所のうち、主だったものを紹介する。

■ベツレヘム(Bethlehem)と聖誕教会(Church of the Nativity

 パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)の町ベツレヘムと、同地にある聖誕教会は、パレスチナが最も世界遺産入りを願う場所だ。ベツレヘムは既に今年初め、イエス・キリスト(Jesus Christ)の生誕地として登録を申請しており、来年7月に世界遺産委員会が審議を行うことになっている。

 聖誕教会は、聖母マリアがキリストを産んだ馬小屋があったとされる場所に、ローマ皇帝コンスタンティヌス(Constantine)によって建てられた4世紀の聖堂で、ベツレヘム最大の観光名所。聖書の中でも重要な場所だが、保全のためには世界遺産登録が欠かせないとパレスチナ当局は主張している。教会を共同管理するローマ・カトリック教会やギリシャ正教会、アルメニア正教会も登録を支援している。

■ヘブロン(Hebron

 ヨルダン川西岸最大の都市で、アラビア語名はアルハリル(Al-Khalil)。世界最古の都市の1つで、旧約聖書に登場するアブラハム(Abraham)とその家族の墓とされるマクペラの洞穴(Tomb of the Patriarchs、族長たちの墓)がある。アブラハムはユダヤ教、イスラム教にも共通する預言者で、深く尊敬されている。

■エリコ(Jericho)のテル・アッスルターン(Tel al-Sultan

 ヨルダン川西岸のオアシス都市エリコにあるテル・アッスルターン遺跡の起源は、青銅器時代(Bronze Age)初期の紀元前9000年にまでさかのぼり、最古の人類居住地の1つとされる。

 また、エリコにはパレスチナ屈指の考古学遺跡で中東最大のモザイクの床が有名なヒシャーム宮殿(Hisham's Palace)もあり、ユネスコ関係者も世界遺産登録に必要な要素は全て備わっているとコメントしている。

■ その他の世界遺産候補

- ナブルス(Nablus)旧市街
- ジェルズィン山(Mount Gerizim)とサマリア人集落
- 死海(Dead Sea
- 死海文書が発見されたクムラン(Qumran)の洞窟
- エルバリヤ原生地域(El-Bariyah Wilderness、ユダヤ砂漠)

(c)AFP

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