【10月21日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)のオーナー側と選手会は20日、18日から続いている労使協定交渉を再開したが、3日間で30時間以上に及ぶ話し合いでも合意に至らず、さらなる試合中止が決定的となった。

 年間収入の分配方法と年俸を制限するサラリーキャップ強化で対立している両者の交渉に、連邦仲裁人のジョージ・コーエン(George Cohen)氏が立ち会ったことで事態の収束が期待されていたが、NBA副コミッショナーのアダム・シルバー(Adam Sliver)氏は「双方の考えの分岐点は理解しているが、両者の溝を埋めることはできなかった」と話した。
 
 交渉が難航すれば12月の試合まで影響が及ぶことを示唆していたNBAコミッショナーのデビッド・スターン(David Stern)氏は、風邪のため20日の会合を欠席した。

 選手会代表のデレク・フィッシャー(Derek Fisher)は、選手たちも事態の深刻さを認識していると明かし、「生計が成り立たず悩んでいる人はもっといるのに、自分勝手な考えの人ばかりだ」と語った。

 オーナー側で労使関係委員会の会長を務めるピーター・ホルト(Peter Holt)氏は「話し合いは継続する」とコメントしている。

 オーナー側と選手会は、約40億ドル(約3072億円)の年間収入の分配方法で対立しており、両者ともに53パーセントの分配率を主張している。全30チーム中22チームが財政赤字に苦しむオーナー側は、7月に失効した以前の契約で選手側に割り当てられていた57パーセントの収入分配比率を引き下げることにより、6年間で11億ドル(約845億円)の貯蓄ができると主張している。

 一方、試合中止によりすでに1億7000万ドル(約130億円)の損害を受けている選手側は、これまで浪費してきたオーナー側を救済するため給与を抑えられることに納得しておらず、年俸を制限するサラリーキャップ強化に反発している。

 19日の交渉では、オーナー側が50パーセントの分配率を選手会側に提示したが合意しなかった。

 コーエン氏と同じく仲裁人を務めるスコット・ベッケンボー(Scot Beckenbaugh)氏は、「両者の主要問題点が違う。交渉続行がお互いの目的達成につながるとは思えない」と語った。(c)AFP