【9月20日 AFP】2008年の四川大地震でがれきの下で1か月あまりも生き伸びて、一躍、国民的英雄扱いされた雄ブタから、クローンの子ブタを作成することに、中国・広東省深セン(Shenzhen)の科学者らが成功した。

 香港(Hong Kong)英字紙サンデー・モーニング・ポスト(Sunday Morning Post)によると、この雄ブタ、「猪堅強(Zhu Jianqiang)」は体重150キロ、年齢は5歳で、人間ならば60歳に相当する。四川大地震では、36日間も倒壊したブタ小屋の下に生き埋めになっていた。助け出されるまでは炭をかじり雨水を飲んで生き延びた。だが猪堅強は、いまでもそのトラウマに苦しんでいるという。

 猪堅強は高年齢なうえ地震の前に去勢手術をうけているが、猪堅強のクローン・プロジェクトを主導した杜玉涛(Du Yutao)氏は、「この素晴らしいブタが再び、私たちを驚かせてくれた」と、成功の喜びを語った。

 6匹の子ブタのDNAは父ブタのものと全く同じで、外見も額に母斑があるところまで驚くほど猪堅強とそっくりだという。

 6匹は3匹ずつ、それぞれ博物館と遺伝子研究所に送られる

 2008年5月12日に四川省と隣接する陝西(Shaanxi)省と、甘粛(Gansu)省の一部を襲ったマグニチュード(M)8.0の四川大地震では、数万人が犠牲となり四川省の多くの地域が壊滅的な被害を受けた。(c)AFP