【7月29日 AFP】米テキサス(Texas)州警察当局は28日、2009年に陸軍精神科医による銃乱射事件が起きた同州フォートフッド(Fort Hood)陸軍基地を狙った「テロ計画」を企てていたとして、米軍兵士のナセル・ジェイソン・アブド(Naser Jason Abdo)容疑者(21)を逮捕したと発表した。

 警察発表や報道などによると、アブド容疑者はフォートフッド基地銃乱射事件を起こしたニダル・マリク・ハサン(Nidal Malik Hasan)被告が事件に使用した武器を購入した銃器店を訪れ、火薬や弾薬を購入した。火薬の量が大量だったことや、運搬に自家用車ではなくタクシーを利用したことに不審を抱いた銃器店の店員が警察に通報し、警察は同容疑者を基地近くのホテルで27日午後に逮捕した。アブド容疑者はケンタッキー(Kentucky)州のフォートキャンベル(Fort Campbell)基地に勤務していたが、4日から無断欠勤していた。

 アブド容疑者は前年、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)のアラビア語放送のドキュメンタリー番組で、イスラム教徒を殺害したくないのでアフガニスタンに派遣しないで欲しいとの希望を軍に伝えたと語っていた。この番組によると同容疑者はパレスチナ系のイスラム教徒だという。

 2009年11月9日に起きたフォートフッド陸軍基地銃乱射事件では、精神科医で陸軍少佐(当時)のハサン被告が「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と叫んで銃を乱射し、13人が死亡、30人以上が負傷した。ハサン被告の公判は来年3月に始まり、有罪になれば死刑判決を受ける可能性がある。(c)AFP/Sig Christenson