【6月21日 AFP】米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で21日に開かれる日米安全保障協議委員会(2プラス2)を前に、日米両政府は沖縄の米軍普天間飛行場(Marine Corps Air Station FutenmaMCAS Futenma)の移設計画を遅らせるだろうと、米政府高官が発言した。

 日米安全保障協議委員会には訪米中の北沢俊美(Toshimi Kitazawa)防衛相やヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官らが出席する。

 オバマ政権は、3月の東日本大震災で大規模な救援作戦を展開したことで、数年にわたって行き詰っている普天間基地の問題が新たな局面を迎えると期待していた。しかし、米上院議員からは現行計画は実現不可能だとして再考を迫る声が上がっている。

 普天間基地に関しては、北沢防衛相も目標とする2014年までの移設完了は困難との見方を示している。

 北沢防衛相は、訪米前に都内で行われた米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)とのインタビューで、「過去に合意したとの理由だけで、できないものを引き伸ばすことは無意味だ。われわれは現実的に交渉しようということを言っている」という趣旨の発言をしている。

 一方、ある米政府高官は20日、匿名を条件にワシントンD.C.で報道陣に対し、今回の2プラス2では現行計画の期限がより現実的なものに見直されるだろうと語った。「カレンダーを見るのに数学の天才を連れてくる必要はない。当初示された期限と、これまでの進展状況を検証し、現在から2014年までの間に何が可能で何が不可能かを見極めることだ」

 日米両政府は数々の協議を経て、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領と小泉純一郎(Junichiro Koizumi)首相時代の2006年に、市街地にある普天間飛行場を2014年までに沖縄県名護市辺野古に移設し、沖縄に駐留する海兵隊員約8000人をグアムに移転することで合意していた。(c)AFP/Shaun Tandon