【6月6日 AFP】香港で4日夜、恒例の天安門(Tiananmen)事件追悼集会が行われた。香港では毎年、1989年に中国・北京で起きた天安門事件の犠牲者を悼み、事件があった6月4日にロウソクを灯して犠牲者を悼む追悼集会を開いている。主催者によると、今年の集会には約15万人が参加した。

 一方、香港(Hong Kong)警察は5日、天安門事件追悼集会の終了後も、違法に集まり警察の公務を妨害した容疑などで53人を拘束したと発表した。

 警察によると逮捕された53人は、追悼集会が終した後、別の場所に向かって行進し、日付が変わっても解散を拒否したという。テレビでは、警官隊と約200人のデモ参加者が小競り合いとなる様子が報じられた。

 警察の報道官はAFPに対し、53人は5日昼までに全員が無条件で釈放されたと述べたが、このなかに政治活動家が含まれていたかについては、明らかにしなかった。

 1997年の中国返還後も高度な自治が行われ、抗議行動の権利も守られている香港で、デモ参加者が身柄を拘束されるのは異例。警察側は、「警察は香港市民の表現権、言論と集会の自由を尊重する。だが、これらの権利は香港の法と社会秩序に従ったものでなければならない」と説明している。(c)AFP