【6月5日 AFP】インドの警察は5日早朝、首都ニューデリー(New Delhi)中心部で、インド政官界の汚職に抗議して大勢の信奉者とともに4日からハンストなどのデモしていた同国の著名ヨガ指導者、スワミ・ラムデヴ(Swami Ramdev)氏らのテント村を急襲し、ラムデヴ氏を拘束した。

 デリー警察の報道官は、ラムデヴ氏のヨガのキャンプに5000人の参加は許可していたが、5万人に膨れあがったと説明し、民衆を扇動することは許可していないと述べた。

 現地のテレビは、5日朝、警察からラムデヴ氏を守ろうとする信奉者たちの姿を放送した。インドPTI通信(Trust of India)は30人が負傷したと報じたが、AFPでは負傷者数を確認できていない。

 ラムデヴ氏は、賄賂や海外の口座を使った違法な取引によるいわゆる「ブラックマネー」に抗議するため、ハンストを行うと予告していた。同氏は政府に、政府職員による汚職の罰則に死刑を導入することや、不正な現金の受け渡しに使われる高額紙幣の廃止などの要求を全て受け入れるよう求めていた。

 ラムデヴ氏がニューデリー入りした1日以降、マンモハン・シン(Manmohan Singh)首相は、インド政界の大物、プラナブ・ムカジー(Pranab Mukherjee)財務相ら閣僚を次々とラムデヴ氏のもとに送り、双方が対面を保つための落としどころを探る動きも見られたが、ラムデヴ氏は抗議行動を続けると述べていた。

 インドでは数百万人もの人が毎日、テレビでラムデヴ氏のヨガレッスンを視聴している。主要野党のインド人民党(Bharatiya Janata PartyBJP)やヒンズー教系右派グループもラムデヴ氏を強く支持している。(c)AFP/Pratap Chakravarty