【5月30日 senken h】デザイン界きっての国際イベント「ミラノ・サローネ」が今年もミラノで4月12〜17日に開かれた。インテリアの見本市「イ・サローニ(isaloni)」とデザインイベント「フォーリ・サローネ(FUORISALONE)」で構成するミラノ・サローネには世界から約30万人が集結。毎年注目を高める日本のデザインは、今年も華やかに世界へ羽ばたいた。現地から日本ブースをリポート。

■ジャパンテクノロジーの挑戦/フォーリ・サローネ
 フォーリ・サローネでは、市内のギャラリーやイベントスペースで、展示やインスタレーションが続々と開かれた。日本の高い技術と表現が来場者を引きつけた。

 「NEOREAL WONDER」と題したデジタル光学機器の新しい世界を3年前から発信し続けるキヤノン。今回のテーマは「Light Loomt」(光の織機)。映写機から出る光を放射状に広がる1本の糸を伝えてスクリーンに映し出すもので、形のない映像を糸によって実体化させた。

 LEDや有機ELなど次世代照明の提案も増えた。日本企業が積極的に開発してきた分野で、ヨーロッパでも技術と感性は注目を集めている。

 東芝は光の粒が空間に漂う幻想的な世界をLEDで表現した。水のカーテンに無数のLEDを反射させて、無機質な光を情緒的な存在に昇華している。東芝はルーブル美術館の屋外照明をLED照明へ切り替える計画も手がけている(2012年完成予定)。

 パナソニック電工はLEDや有機ELなどの照明パネルを独自のセンサーで空間に登場させた。マンダラ模様に組み合わせたLEDが天井から光を照射して異空間のような情景を作り出す。

 この他、カネカは2500枚の有機ELを使って日本の四季を感じさせる「美しき日本の酒場」を表現した。三菱化学メディアも調光や調色できる有機ELの量産型モデルで、多彩な光の演出を試みた。また、LIXILは「イナックス」ブランドで、きめ細かい泡を作る技術を開発して新しいバスライフを提案した。(c)senken h / text:村上洋一

【関連情報】
ミラノ・サローネ 公式サイト
<senken h 112>ミラノ・サローネ(1)
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