【5月16日 AFP】北京五輪の男子マラソン金メダリスト、ケニアのサムエル・ワンジル(Samuel Wanjiru)選手が、同国中部のニャフルル(Nyahururu)にある自宅の2階から転落して死亡した。ケニア警察が16日、発表した。

 地元警察署長のジャスパー・オンバチ(Jasper Ombati)氏は「妻と口論した後、自宅のバルコニーから転落した。ベランダに横たわっているところを発見した。頭部骨折しており、ニャフルル病院で死亡が確認された」と述べた。

 妻と警備員の証言によると、ワンジル選手は地元のバーから、女性を連れて酔って帰宅した。妻が、女性と帰宅したことを問い詰めると口論となり、その際にバルコニーから転落して死亡したという。

 警察はワンジル選手が自ら飛び降りた可能性についても捜査しているという。オンバチ氏は「(妻と警備員の証言とは)別の考えとして、口論の最中に寝室から飛び出した妻をワンジル選手が追いかけた。だが妻が、階段のドアの鍵を閉めたため、ワンジル選手が別の出口を探して、それでバルコニーから飛び降り、死亡してしまったという考えもある」と述べた。自殺なのか事故死なのかまだ断定することはできず、捜査を続けると同氏は語った。

 数か月前から夫婦間の問題を抱えていたとみられるワンジル選手は1月には交通事故の当事者にもなっていた。また、銃器の不法所持の疑いで、23日に裁判所に出廷する予定だった。(c)AFP