【4月22日 AFP】新世代のスパイス・ガールズ(Spice Girls)やプッシーキャット・ドールズ(The Pussycat Dolls)を目指して、アジア各国出身の5人が組んだ初の「汎アジア」ガールズグループが5月にデビューする。その名は「ブラッシュ(Blush)」だ。

 メンバーはフィリピン人、インド人、中国人、韓国人、そして日本人の18~28歳。昨年アジア全域で行われたタレント発掘事業「プロジェクト・ロータス(Project Lotus)」で、数週間に及ぶ厳しいトレーニングと選考過程を経て、何百人ものスター志望者から選ばれた。

 5月に初シングルをリリースする彼女らは、アジアだけでなく欧米のミュージック・シーンでも一世を風靡しようと意気込んでいる。現在は、香港(Hong Kong)のスタジオでデビューアルバムの制作の準備に忙しい。

「グローバルな存在になって、わたしたちの音楽でみんなの心をつかめたらいいわ」とAFPのインタビューに語ったのは、ダンスのトレーニングに励んでいたインド出身のアリーシャ・ブドラニ(Alisha Budhrani)さん。「わたしたちの出身国が音楽を通して1つになれたら嬉しいし、世界に出て行って色んなアジアがあること、全部素晴らしいんだってことを見せたい。文化も言葉も違い、色んな方言があり、あらゆる種類の最高のことが起こっているアジアをね」と話し、他の4人とともに声を上げて笑った。

■ガガやボン・ジョビの立役者がプロデュース

 スーパースターの座を勝ち取るまでの道のりは長いかもしれないが、ある大物プロデューサーが「ブラッシュ」を支えている。レディー・ガガ(Lady Gaga)やビヨンセ(Beyonce)、ヒップホップグループのブラック・アイド・ピーズ(Black Eyed Peas)といったそうそうたる面々を手がけてきたスティーブ・シュナー(Steve Schnur)氏だ。

 さらに共同プロデューサーとして、カントリー歌手のフェイス・ヒル(Faith Hill)やリアン・ライムス(LeAnn Rimes)、ロックの重鎮ボン・ジョビ(Bon Jovi)などのプロデュースで知られるダレル・ブラウン(Darrell Brown)氏が名を連ねる。

「彼女たちは、1人ずつでも十分スーパースターの素質がある。その子たちが一緒になって、われわれの誰も経験したことのない何かを作り出そうとしている。いわゆるこれまでのガールズバンドだとかボーイズバンドといったものではないんだ」。米ロサンゼルス(Los Angeles)のスタジオからインターネット電話スカイプ(Skype)でインタビューに応じたシュナー氏は、「ブラッシュ」の魅力についてこのように語った。

■目指せ「アジアの音楽大使」

「プロジェクト・ロータス」をプロデュースするのは、米ウォルト・ディズニー(Walt Disney)アジア・パシフィック担当元代表のジョン・ニアマン(Jon Niermann)氏。「ブラッシュ」が欧米市場に切り込むアジアの音楽大使になると期待を寄せる。

「(プロジェクトは)非常にシンプルな問いからスタートした。なぜ、欧米で大成功を収めたアジアのスターはいないのかってね。彼女たちを世界の舞台で成功させたい。欧米でヒットチャートのトップを飾らせたい」

「ブラッシュ」というグループ名は、メンバーの「女の子らしさや楽しさ、無邪気さやスイートさ」を表したネーミングだそうだ。すでにポップス調を中心に6曲のレコーディングを終えている。(c)AFP/Beh Lih Yi