【4月11日 AFP】世界銀行(World Bank)は10日、紛争や暴力が世界経済の成長を鈍化させ15億人を極度の貧困に陥れているとする報告書を発表し、悪循環を断ち切る国際的な取り組みを呼びかけた。

 世界銀行の発表した「2011世界開発報告(2011 World Development Report)」によると、政治や犯罪をめぐる暴力の悪循環にさらされている国では、そうでない国と比べて貧困率が20%も高い。

 世界銀行のロバート・ゼーリック(Robert Zoellick)総裁は、「暴力の連鎖を断ち切り、暴力を引き起こす要因を削減するためには、各国がより正統で、説明責任があり、能力の高い国家機関を設立して、市民の治安や公正、雇用を提供しなければならない」と述べた。

 同報告書は、紛争や暴力が経済発展に影響を及ぼすことを詳細に分析。また、問題克服に向けた各国政府による過去の成功例、失敗例からの教訓を、ソマリア海賊やアフガニスタン、米大陸の麻薬密売、北アイルランドやインドネシアでの政権移行の成功例などを取り上げて提示している。(c)AFP/Veronica Smith