【1月26日 AFP】心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱える米軍兵士を、仮想現実ゲームの「戦場」に再び送り込むことにより治療する試みが行われている。

 治療用ゲーム、その名も「Virtual Iraq(バーチャル・イラク)」と「Virtual Afghanistan(バーチャル・アフガニスタン)」は、家庭用ゲーム機「Xbox」用の戦闘シミュレーションゲーム「Full Spectrum Warrior」に改良を加えたもの。米軍の依頼を受け、南カリフォルニア大(University of Southern California)のアルベルト・リッツォ(Albert Rizzo)教授らが開発した。

 リッツォ教授が25日に説明したところによると、ゲームは、頭部装着型ディスプレーにイラクまたはアフガニスタンの戦闘シーンを流し、兵士にトラウマ経験を追体験させる。

 一見過酷にも見えるが、兵士の不安を徐々に適度なレベルまで上げつつ自分のトラウマ体験に向き合わせ、それについて語らせることで兵士の不安は和らぎ、PTSDの症状も緩和されるという。

 20人にこの治療を受けさせたところ、うち16人がPTSDの診断基準に当てはまらない程度にまで症状が軽減したという研究結果もある。

 米軍の推定によると、イラクやアフガニスタンで戦闘に参加した兵士のうち、20~30%が精神疾患を抱えて帰国する。トラウマの症状には、繰り返される悪夢、フラッシュバック、無感覚、極度の不眠症などがある。(c)AFP