【10月29日 AFP】「右利き」が多いのは人類だけではなく、チンパンジーにもその傾向があるとする論文が、霊長類学の専門誌「American Journal of Primatology」にこのほど掲載された。

 スペインのカタルーニャ古生物学研究所(Catalan Institute of Human Palaeoecology and Social Evolution)などの研究チームは、スペインとザンビアの霊長類保護センターで、チンパンジー114頭に実験を行った。

 中に食べ物を詰めたチューブを与え、指や道具を使って食べ物をほじくり出す時に、チンパンジーたちがどちらの手を使うかを観察した結果、右手を使う傾向が強いことがわかった。

 研究者らによると、右利きが多い傾向はこれまで人類特有だと考えられてきた。人類の脳の非対称性に起因するものであり、この非対称性が、両手の活用と協調を必要とする込み入った作業の実行に関連していると考えられてきた。

 実験ではまた、人類と同じく、オスよりもメスの方で右利きの傾向が高いことも明らかになった。

 研究チームは結果について、「脳機能を調整する遺伝子とホルモンの生物学的要因を、チンパンジーも共有しているのではないか」とみている。(c)AFP