【9月29日 AFP】メキシコ南部オアハカ(Oaxaca)州サンタマリアトラウイトルテペク(Santa Maria Tlahuitoltepec)で28日、数週間にわたる集中豪雨により大規模な土砂崩れがあり、11人が行方不明となっている。

 一時はフェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)メキシコ大統領とオアハカ州のウリセス・ルイス(Ulises Ruiz)知事が、死者7人、行方不明者100人と発表し、死傷者が非常に多くなることが懸念されていた。豪雨はタバスコ(Tabasco)州の州都ビジャエルモサ(Villahermosa)を訪問する予定だったカルデロン大統領を乗せた航空機が着陸を中止するほど激しかった。

 オアハカ市に到着したホセ・フランシスコ・ブレイク・モラ (Jose Francisco Blake Mora)内相は「幸いにも死傷者数が変わった。現在のところ死者は確認されていない」と述べ、「現在は子ども8人を含む11人が行方不明になっている」と訂正した。標高2400メートルにある人口1万人ほどの山村は外部とつながる道路が寸断され、悪天候で空からの救援も不可能になったが、警官や救急隊員が山を登って現地に入ったという。

 ルイス知事は当初、メキシコのテレビに対し、土砂崩れで住宅100~300戸が埋まり、数千人が被災したと述べていた。しかしその後、テレビは住宅の被害は全壊が2戸、一部損壊が30戸程度という、現地で取材した複数の地元の記者の報告を伝えている。

 メキシコの当局は今年の豪雨は史上最悪だとしている。同国の広い地域で豪雨に見舞われ、洪水と土砂崩れによる死者は5月以降だけで少なくとも80人に達した。南東部沿岸のベラクルス(Veracruz)州ではハリケーン「カール(Karl)」で少なくとも14人が死亡、推計40万人が避難生活を送っている。(c)AFP/Victor Ruiz