【9月21日 AFP】朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)は21日、北朝鮮の労働党代表者会を28日に平壌(Pyongyang)で開催すると発表した。「党最高指導機関の選挙のため」としている。

 代表者会は、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記(68)から三男ジョンウン(Kim Jong-Un)氏(推定27)への権力移譲の地ならしの意味合いがあると、広く目されている。

 北朝鮮の権力機構について以下にまとめた。

■朝鮮労働党

 金総書記の影響力は、軍部も参画する政体のもとで衰えを見せている。08年に脳卒中で倒れた金総書記は、党を再び活性化させ、最高指導者の世襲制支持派を最高指導部に抜擢したいと考えていると思われる。
 
 代表者会では、まず党のかなめである党中央委員が選出されると、一部のアナリストは指摘する。次に、党中央委員会が、政治局員、書記、党中央軍事委員会委員を選出すると見られる。
 
 政治局常務委員は、金総書記の父親である金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席やそのほかの常務委員が1980~90年代に死亡した後、現在では金総書記ただ1人となっている。

 年々影響力を増し、ジョンウン氏の後見人と見られている金総書記の義弟、張成沢(チャン・ソンテク、Jang Song-Taek)氏が常務委員に選出される可能性がある。

 金総書記の後継者と目されるジョンウン氏は、党中央委員、あるいは党幹部に抜擢される可能性がある。

■国防委員会

 委員長は金総書記が務める。最高人民会議(国会に相当)は国防委の委員長職を「北朝鮮の最高職責」と称してきた。公式には国内外の安全保障に責務を負うが、すべてにおいて軍事を優先する「先軍政治」という指導理念をとる金総書記の政策決定において重要な役割を担う。

 今年6月、張成沢氏が国防委の副委員長に選出された。

■内閣

 内閣を率いるのは首相。首相は経済政策を担当する。今年6月、最高人民会議は金英逸(キム・ヨンイル、Kim Yong-Il)首相を更迭し、朝鮮労働党平壌市委員会の崔永林(チェ・ヨンリム、Choe Yong-Rim)責任書記を新首相に選出した。  

■最高人民会議

 労働党が任命する687人の代議員で構成。通常は年に1度開かれ、党の決定事項を正式に承認する。故金日成国家主席が「永遠の国家主席」とされているため、国のトップとしての儀礼的な役割は金永南(キム・ヨンナム、Kim Yong-Nam)常任委員長が果たす。

■人民軍

 兵力119万人は世界第4位。最高司令官は金総書記。北朝鮮は核爆弾6個分のプルトニウム抽出を完了したと考えられているが、これらをミサイルに搭載可能な核弾頭を作る技術を持っているかは不明。(c)AFP