【9月16日 AFP】体の不自由なアスリートが来年の夏に、ロボットスーツを着用した介助者の力を借りて、フランスの小島に立つ修道院「モン・サンミシェル(Mont-Saint-Michel)」を訪問する計画を立てている。

 この男性は内田清司(Seiji Uchida)さん(48)。27年前の事故で下半身麻痺となり、車いすで生活しているが、人間の動作をアシストするバッテリー駆動のロボットスーツ「HAL(ハル)」の力を借りて、長年の夢だったモン・サンミシェルに登る予定だ。

 お年寄りや介護サポートのために開発された「ハル」は、筑波大学(Tsukuba University)大学院の山海嘉之(Yoshiyuki Sankai)教授が開発したもので、体表を流れる微量の電流をとらえて筋肉の動きを予測し、装着者が意図した方向に自動的に動く。フルボディーモデルでは腕と脚の動作をサポートし、片手で70キロの荷物を持ち上げることができる。

 内田さんは2006年に、HALを装着したサポートチームが内田さんを背負うかたちでスイスのブライトホルン(Breithorn、標高4164メートル)の登頂を目指したが、山頂を前に断念した。内田さんは、エレベーターのような設備にたよらなくても、障害者が歴史のある地を訪ねることができるということを証明したいと意気込んでいる。(c)AFP/Harumi Ozawa