【7月20日 AFP】19日付の米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は、米国の情報機関は肥大化していると批判する記事を掲載した。

 2年間にわたる調査の結果、米情報機関のネットワークは「肥大化するとともに秘密主義的になりすぎており、どれだけの費用がかかっているのか、どれだけの職員を雇っているのか、どれだけの作戦計画があるのか、どれだけの機関が同じ任務を行っているのか誰も分からなくなっている」と指摘。さらに、さまざまな情報機関が毎年、5万件にのぼる報告書を作成しているが、あまりに量が多すぎて「その多くは通常、無視されている」とした。

 これに対し、米国の情報機関を統轄する国家情報長官(Director of National IntelligenceDNI)代理を務めるデービッド・ゴンパート(David Gompert)副長官は19日、情報機関をめぐる根も葉もない「神話」が流布していると反論した。

 副長官は、ワシントン・ポストの記事は情報機関の実態を反映していないとした上で、米情報機関は、「公開できる情報の量が限定された環境で任務を行って」おり、「日々攻撃を阻止し、語られることのない成功を収めている」と語った。

 DNIは、2001年9月11日の米同時多発テロを受けた米情報機関の合理化の一環として2004年に設置された。しかし、中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)や国防情報局(Defense Intelligence AgencyDIA)などの既存機関と、担当分野や予算面で対立することとなった。(c)AFP