【6月24日 AFP】国際的な大手電機メーカーの製造を一手に引き受け「世界の工場」の評価を確立して久しい中国が、いよいよ第2のソニー(Sony)、第2のサムスン(Samsung)を生んで表舞台に立とうと「中国ブランド」の売り出しにかかっている。

 前週シンガポールで開催されたアジア域内の大規模な通信関連見本市「コミュニクアジア(CommunicAsia)」と「ブロードキャストアジア(BroadcastAsia)」で、最多の257ブースを出展したのは中国だった。
 
 あまりある中国の安価な労働力にひかれ、米アップル(Apple)やコンピューター大手デル(Dell)、フィンランドの携帯端末大手ノキア(Nokia)など多くの国際企業が工場を中国に集中してきた。しかし今、中国の電機メーカーたちが、国際市場における存在感を増そうとしている。

 シンガポールの展示会では、中国通信設備大手の華為科技(ファーウエイ・テクノロジーズ、Huawei Technologies)や中興通迅(ZTE Corporation)を筆頭とした中国メーカーの一群が、スリムなタブレット型コンピューターから極薄の携帯端末までありとあらゆる機器を披露し、中国が欧米企業のための単なる安価な生産センターだという以上の存在であることを証明した。

 2008年の同じ見本市で最多の展示ブースを出した米国は今回、179ブースと2番目に多い出展数ではあったものの、中国には大きく水を開けられた。中国は出展数の増加率でも前年比21%と勢いを見せている。しかも参加に関心をもつ企業はファーウエイや中興といった大手ばかりではない。

 主催企業のシンガポール見本市サービス(Singapore Exhibition Services)で通信関連の見本市を担当するディレクター、ビクター・ウォン(Victor Wong)氏によると、中規模の企業や企業グループの参加がかなり増えているという。

 中国電機メーカー、康佳集団(コンカグループ、Konka Group)の地域営業ディレクター、アラン・イン(Alan Yin)氏は次なるソニーやサムスン、モトローラ(Motorola)になりうる企業が中国にあると信じて疑わない。「中国は欧米諸国から技術を学んできたが、今は多くの中国企業がハイテク分野の研究開発に多額の投資を行っている。次の10年から20年の間に中国企業はもっと強くなるだろう」(c)AFP/Bernice Han