【3月23日 AFP】東芝(Toshiba)は23日、米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)創業者のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏の出資する米原子力ベンチャー「テラパワー(TerraPower)」と、次世代小型原子炉を共同開発することについて検討を開始したと発表した。

 日本経済新聞(Nihon Keizai Shimbun)によると、この小型の次世代原子炉は「TWRTraveling-Wave Reactor)」と呼ばれ、燃料に劣化ウランを使用する。現行の軽水炉が数年ごとに燃料交換が必要なのに対して、TWRは燃料交換なしに最長100年間の発電が可能だという。

 テラパワーは米ワシントン(Washington)州を拠点とする専門家グループで、ゲイツ氏が主要株主。小型の原子炉により「エミッションフリー」のエネルギーを供給する方法を研究開発している。

 現行の大規模発電所と異なり、小型原子炉は、市や州単位、または発展途上国などで、より容易に導入することができるとみられる。

 東芝の広報担当者によると、両社は情報交換を開始したばかりで、「開発や投資について具体的に決定した事実はない」という。ゲイツ氏とテラパワーの経営陣は前年、東京近郊の東芝の原子力発電研究施設を訪問していた。

 TWRの開発にはゲイツ氏が私財を投じるとみられ、その額は、日経新聞によれば数十億ドル(数千億円)規模になる可能性もある。(c)AFP