【3月22日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は21日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に対し、23日に米ホワイトハウス(White House)で会談を行うことを要請した。会談では中東和平について協議される見込みだが、ネタニヤフ首相は、東エルサレム(East Jerusalem)でのユダヤ人入植者住宅の建設中止を求めた米国の要請を拒否する姿勢を示している。

 イスラエル首相府によれば、会談要請は21日のジョージ・ミッチェル(George Mitchell)米中東和平担当特使との会談が始まる際に、同特使から伝えられたという。ネタニヤフ首相は同日中に米国に向かう予定。同首相は訪米中、米高官や在米ユダヤ人指導者らとも会談する。
 
 ネタニヤフ首相はこれに先立ち、東エルサレムでのユダヤ人入植地の建設計画を中止するつもりはないと強調していた。しかし、米国に譲歩する形で、今後予定されているパレスチナとの間接交渉を拡大する用意はあると語っていた。

 パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長はネタニヤフ首相の発言について、協議再開につながるものではないと批判。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)でイスラエル軍によりパレスチナ人4人が殺害されたことも厳しく非難した。

 ネタニヤフ首相はまた、同地を訪問中の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連(UN)事務総長とも会談。事務総長は、アラブ諸国に対し間接交渉を支持するよう求めると語った。

 2日間の滞在中に、事務総長はガザ地区(Gaza Strip)も訪れ、同地の境界封鎖は「受け入れがたい苦しみ」を引き起こしているとしてイスラエルを非難した。(c)AFP/Gavin Rabinowitz