【2月28日 AFP】(一部更新、写真追加)気象庁によると、前日南米チリで発生した大地震による津波の第1波が、28日午後1時47分ごろ、北海道の根室沿岸に到達した。高さは約30センチ。

 テレビでは千葉県鴨川市にある川の河口に細かく立つ波頭も映し出されている。
 
 同庁は午前9時33分、チリ大地震による津波が太平洋沿岸の広い地域に到達する恐れがあるとして大津波・津波警報と津波注意報を出していた。

 最初の津波は、北海道東部沿岸と伊豆地方に午後1時ごろに到達する可能性があると予想されていた。

 青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県には「大津波警報」が出されており、最大で3メートルの津波が到達する恐れがある。

 このほか北海道から沖縄までの太平洋沿岸の広い地域に最大2メートルの津波の恐れがあるとして「津波警報」を出した。

■「海岸や河口に近づかない」「高台に逃げる」

 日本政府は28日午前8時30分、首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置した。沿岸の各自治体では住民に避難指示や避難勧告を出したほか、イベントの中止や漁港の閉鎖などの措置がとられている。公共放送NHKは海岸や河口に近づかず、高台に逃げるよう繰り返し放送している。

 比較的低い第1波の後に、さらに高い第2波、第3波が続く可能性もあり、また場所によっては気象庁の検潮所で観測される津波よりも高波になる場合もあるとして、気象庁では警戒を呼び掛けている。

■太平洋全域が警戒

 太平洋津波警報センター(Pacific Tsunami Warning CenterPTWC)は太平洋全域に津波警報を出したが、その後日本とロシアを除いて解除している。しかし、オーストラリアは独自に出した津波警報をまだ解除しておらず、ロシアも最大2メートルの津波の恐れがあるとして、太平洋に面するカムチャツカ(Kamchatka)半島に津波警報を出し、住民の避難を開始した。

 AFPが午後2時21分に伝えたロシア通信(RIA-Novosti)によると、カムチャツカ半島に津波は到達したが、危険な水準は大きく下回ったとして、ロシアの現地緊急事態当局は津波警報を解除した。(c)AFP

【参考】気象庁「津波警報・注意報」