【2月17日 AFP】米財務省が16日発表した2009年12月の国際資本統計によると、同月末時点の日本の米国債保有高は、前月の7573億ドル(約68兆4000億円)から7688億ドル(約69兆4000億円)に増加し、中国を抜いて首位となった。

 中国は前月比4.3%減の7554億ドル(約68兆2000億円)で2位。2000年8月以来の急激な落ち込みを記録した。中国は2008年9月に日本を抜いて世界一の保有国となり、前年12月まで徐々にその額を増やしてきた。

■中国の意図は?

 ここ数か月、各方面で米中関係は悪化している。また中国政府は米国の経済状態の悪化にも懸念を示していた。

 国際通貨基金(International Monetary FundIMF)で中国部門のトップだった米コーネル大学(Cornell University)のエスワル・プラサド(Eswar Prasad)教授は、ここ数か月中国が米国債の保有高を減らしているのは、為替や貿易、人権の問題で中国が受け入れにくい要求をする米国への政治的なメッセージかもしれないと語る。

 一方、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)にあるピーターソン国際経済研究所(Peterson Institute for International Economics)の中国専門家、ニコラス・ラーディ(Nicholas Lardy)氏は、中国が依然として大量の米国債を保有していることに変わりはなく、過度に深読みするのは誤りだと話している。

 中国にとって米国は重要な輸出先であると同時に、大量の米国債を保有する中国は、財政と経常収支の巨額の赤字に苦しむ米国にとって重要な資金の供給源になっている。(c)AFP/P. Parameswaran