【2月16日 AFP】米環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation SocietySS)」のメンバーでニュージーランド出身のピート・ベスーン(Pete Bethune)船長が日本の調査捕鯨船に侵入した事件で、日本政府は16日、ベシューン船長を日本で事情聴取する方針を明らかにした。

 平野博文(Hirofumi Hirano)官房長官は16日の記者会見で、「わが国の艦船に侵入した刑法上の罪の疑いがある」と述べ、日本の法律に基づいた対応を最終調整中だと説明した。

 一方、水産庁関係者は、政府の方針はまだ固まっていないとしたうえで、刑事処分も視野にいれてベスーン船長の身柄は海上保安庁に引き渡される見込みだと話した。

 これに対し、「シー・シェパード」のポール・ワトソン(Paul Watson)船長は声明文のなかで「ベスーン船長には、「アディ・ギル(Ady Gil)号」を破壊して彼や乗組員を殺そうとした張本人(「第2昭南丸(Shonan Maru No. 2)」の船長)と戦う権利がある」と主張。「その日本人船長が、今度はベシューン船長を拘束し人質として日本に連れ帰ろうとしている。わたしは尋ねたい。いったい海賊はどっちなんだと」と語っている。

 ベスーン船長は前月に「アディ・ギル号」が「第2昭南丸」に衝突して破損した事件を根拠に、同号乗組員に対する「殺人未遂」で昭南丸船長を「常人逮捕」するとして昭南丸に乗り込んだ。同船長は「アディ・ギル号」破損の賠償金300万ドル(約2億7000万円)も請求している。(c)AFP/Miwa Suzuki