【11月26日 AFP】フランスの大手タイヤメーカーが発行する高級レストラン格付けガイドブック『ミシュランガイド(Michelin Guide)』が、26日に発売された香港・マカオ版の最新ガイドで、同ガイドとしては初の試みとして、安価な「B級」レストランの格付けコーナーを設けた。

「食のバイブル」と呼ばれる同ガイドの香港・マカオ版は前年初めて出版されたが、二都市の食文化の顔ともいえる「屋台」 をまったく無視しているという批判があった。2010年版では、「素朴な飲食店」として29軒が選ばれた。

 前年の香港・マカオ版のデビュー時には、同ガイドが扱っているのが高級店ばかりで、真の中国らしい食体験を読者に提供することに気を払っていないと批判された。また同版の審査員12人はみな専従の審査員ではない上、中国人が2人しかおらず、料理のクオリティを判定する際に十分、地元の食に接することができているのかどうかと、疑問の声もあった。今回、加わった「B級」店の最低平均料金は50香港ドル(約560円)だ。    

 同ガイドブックのジャン・リュック・ナレ(Jean-Luc Naret)総責任者は26日、香港での出版記念会見で、今回は中国人2人、フランス人1人、英国人1人の計4人の専従審査員を配したと述べた。

 最新版に掲載されている飲食店は、香港205軒、マカオ38軒などの個人レストランからホテルまで全298店。86店は新規掲載だ。全体で一ツ星レストランは39軒、二ツ星が9軒、最高の三ツ星は香港のフランス料理店2軒と中華料理店1軒、さらにマカオ近郊の中華料理店の計4軒だった。

 2年連続三ツ星に輝いたのがホテル「フォーシーズンズ(Four Seasons)香港」で中国人シェフChan Yan-tak氏が腕を振るう広東料理店「龍景軒(Lung King Heen)」と、マカオのカジノリゾート「グランドリスボア(Grand Lisboa)」にあるフランスの有名シェフ、ジョエル・ロブション(Joel Robuchon)氏の「ロブション・ア・ガレア(Robuchon a Galera)」。

 昨年、中国人として初の三ツ星シェフとなったChan氏の下には、それをきっかけに20の引き抜きが殺到した、とナレ氏は述べた。

 新しく三ツ星に昇格したのは、同じフォーシーズンズ・ホテルのフランス料理店「Caprice」、1軒だけだった。(c)AFP/Peter Brieger