【10月16日 AFP】国連人権理事会(UN Human Rights Council)は15日、パレスチナ自治区と東エルサレムにおける人権問題に関する特別会合を開き、前年末から今年1月にかけて起きたガザ(Gaza)紛争をめぐる国連報告書についての協議を開始した。

 会合では、元国連戦争犯罪検察官リチャード・ゴールドストーン(Richard Goldstone)氏率いる調査チームが作成した国連報告書の承認について協議が行われる。

 報告書は、イスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の双方が戦争犯罪と人道に対する罪を犯した可能性があると指摘している。

 ガザ地区からロケット弾が発射されたことにイスラエルが応戦したことで始まった22日間にわたるガザ紛争では、パレスチナ人1400人とイスラエル人13人が死亡した。

 イスラエルは、この報告書を承認する決議案を採択すると「テロに見返りを与える」ことになり、ハマスがイスラエルに対して行ったような攻撃が世界各地で起こりかねないと主張した。

 報告書は、イスラエルとハマスが6か月以内に信用に足る調査を行わなかった場合には、報告書の結論をオランダ・ハーグ(The Hague)の国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)に委ねることや、国連安全保障理事会(UN Security Council)に対し、イスラエルの調査を監視・報告するための専門家チームを立ち上げることを提案している。

 人権理事会の決議案では、報告書で言及された提案についても承認し、国連機関を含むすべての関連機関に提案の実行を要請する方向で協議が進んでいる。特別会合は16日も引き続き行われる。(c)AFP