【7月29日 AFP】英外務省のクリス・ブライアント(Chris Bryant)政務次官は28日、ラオスで麻薬密売の罪で有罪判決を受け服役している妊娠中の英国人女性の身柄引き渡しについてラオス政府と合意したと発表した。

 ラオスを訪問したブライアント政務次官はAFPに対し、サマンサ・オロバトール(Samantha Orobator)受刑者(20)の身柄を英国に移して英国の刑務所で服役させる旨の覚書に両国が署名したことを明らかにした。

 オロバトールさんは前年8月、ヘロイン680グラムを所持していたとして、タイ行きの飛行機に乗ろうとしていたところを拘束された。同国では、ヘロイン500グラム以上の所持がみつかると死刑に処せられるが、ラオス政府は英国政府に対し、妊娠中の女性に対する死刑判決はないと明言。今年6月、終身刑と6億キップ(約680万円)の罰金刑が言い渡されていた。

 移送日は未定だが、9月にも出産する予定のため、ブライアント政務次官は飛行機に搭乗可能な「今後2週間以内」に移送したいと語った。

 両国はその1か月前の5月、犯罪人引き渡し協定に署名したが、発効までには時間がかかる。現地の英国大使館は今回の覚書は出産前でも移送できるようにするための手段だったとしている。(c)AFP