【7月18日 AFP】米テレビニュース界の伝説的存在で、その落ち着いた報道姿勢から「米国で最も信頼できる男」と呼ばれたウォルター・クロンカイト(Walter Cronkite)氏が17日、ニューヨーク(New York)で死去した。92歳だった。同氏がキャリアの大部分を過ごした米CBSテレビが伝えた。

 クロンカイト氏は1962年から81年まで、CBSのニュース番組「CBSイブニング・ニュース(CBS Evening News)」のアンカーマンを務めた。公民権運動、ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)大統領暗殺、ベトナム戦争、米ソ冷戦、月面着陸、リチャード・ニクソン(Richard Nixon)大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート(Watergate)事件など、数多くの歴史的事件を伝えた。

 同氏は米国でテレビが支配的なメディアとして幅を効かせていた時代に活躍。CBS News and Sportsのショーン・マクマナス(Sean McManus)社長は声明で、「ウォルター・クロンカイトなしのCBSニュース、ジャーナリズム、実際、米国でさえも想像できない」と心中を明かしている。

 米国人がクロンカイト氏に対して尊敬の念を抱いていたことは、1972年の意識調査ですべての政治家、宗教指導者、スポーツヒーローをしのぎ、「最も信頼できる人物」に選ばれたことで浮き彫りになった。

 米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙は親族の話として、クロンカイト氏がここ数年、脳血管疾患を患っていたと伝えている。(c)AFP