【6月25日 AFP】前年、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の選挙ポスターで一躍有名になったロサンゼルス(Los Angeles)在住の芸術家シェパード・フェアリー(Shepard Fairey)氏が、今、ミャンマーの民主化指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんで同様のポスターを制作中だ。

 ポスターは、にこやかなスー・チーさんの顔に赤い光線が差し込み、心臓のところにハトが舞っているという構図になるという。オバマ大統領のポスターでは下の方に「HOPE」が大書されたが、スー・チーさんのポスターでは上部に「FREEDOM TO LEAD」の文字が入るという。

 フェアリー氏は、制作の意図について、「いつ終わるともしれない彼女の自宅軟禁とビルマ(=ミャンマー)の軍事政権の抑圧体質について、広く知ってもらうため」と説明した。

 スー・チーさんは、過去19年間のうち通算13年の軟禁生活を送っており、前月には自宅軟禁の条件に反して自宅に外国人を滞在させたとして、ミャンマーの軍事政権に起訴され、悪名高いインセイン刑務所(Insein Prison)に収監されている。有罪の場合、最高5年の禁固刑が科せられる。

 フェアリー氏にポスターの制作を依頼したのは、人権団体「Human Rights Action Center」の代表で1999年にスー・チーさんと面会した経験を持つジャック・ヒーリー(Jack Healey)氏だ。「彼女はわたしにとって、(国連の)世界人権宣言(Universal Declaration of Human Rights)のシンボル。彼女がミャンマーの実権を握れば、拷問はただちになくなり、7万人の少年兵は姿を消し、麻薬密売も影をひそめるだろう」とヒーリー氏は語る。(c)AFP