【5月27日 AFP】欧州連合(EU)は来月にも白ワインと赤ワインを混ぜてロゼワインを作る製法を認可すると見られているが、フランス、イタリア、スペイン、スイスのワイン業者らは26日、ベルギー・ブリュッセル(Brussels)でこれに反対する記者会見を開いた。

 欧州委員会(European Commission)は2007年、白と赤を混ぜ合わせることによるロゼワインの製造を承認し、欧州の専門家らも今年1月にゴーサインを出した。世界貿易機関(World Trade OrganizationWTO)もこのアイデアを暗黙裏に支持していることもあり、EUは来月19日または26日に投票を行い、最終的な判断を下すことになった。

 こうした製造はワイン製造業の「工業化」を促進するとみられており、ワイン生産者らは、数千人が失業する可能性を指摘。さらに、絞り汁が薄く色づくまでブドウの果皮を残しておくという時間のかかる伝統的なロゼワインの製法が危機にさらされると懸念している。

 スペインのワイン規制機関CRDOの総裁、Fernando Prieto Riuz氏は「変性したクローン製品を作ろうというのか。消費者を混乱させるだけだ」と発言した。
 
 白ワインと赤ワインを混ぜ合わせるという手法は、オーストラリアや南アフリカといった新世界のワイン醸造家がすでに採用している。(c)AFP