【5月25日 AFP】すらりと足の長いモデルたちと一緒にステージ上を歩くのは、ヤマアラシにニシキヘビにヤク――。ロシア第2の都市サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)の動物園で24日、こんな風変わりなファッションショーが開催された。

 これは、動物保護に関する社会的な認識を高めるための運動の一環。1865年創立、欧州でも指折りの歴史あるこの動物園は最近、資金難に直面しており、十数種類の動物たちが動物園のため、あるいはリードを引っ張り、あるいはモデルの腕に乗って、ステージ上でポーズを取った。

「モデルを選ぶのはなかなか大変だったわ」と話すのは、動物園の副園長を務めるタチアナ・フェドリシェンコ(Tatiana Fedorishenko)さん。彼女の言うモデルとは、動物たちのことではなく、彼らとともに歩く人間のモデルのことだ。「動物たちは人慣れしておとなしい子たちばかりだけれど、モデルたちが怖がったり、違和感を感じたりしてはいけないから」

 実際、参加したモデルの1人、ナターシャ(Natasha)さんはショーの後、「難しかったわ。私の連れていたキツネは隙あらば逃げようとしていたから、歩ききるだけで大変だった」と告白した。

 ショーを考案したのは、同市に住むファッションデザイナーたち。アレクサンドル公園(Alexander Park)内にある動物園に暮らす410種類2000匹の動物たちに連帯を示したという。デザイナーの1人、ウラジスラフ・アクシュイオノフ(Vladislav Aksyonov)さんは、「動物たちに同情したから参加したんだよ。毛皮を使うのには断固反対だし、動物園を助けたくもあったしね」と語った。(c)AFP