【5月6日 AFP】米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric AdministrationNOAA)は4日、農家の人びとのモンスーン予測に役立てられるブイをインド洋(Indian Ocean)に設置する国際プロジェクトが順調に進んでいることを明らかにした。

 プロジェクトは、2012年までに、風、雨量、気温などを測定するブイをインド洋に46個設置するというもので、2004年に開始された。これまでに、全体の約半数の22個が設置されたという。

 米シアトル(Seattle)にあるNOAAの太平洋海洋環境研究所(Pacific Marine Environmental Laboratory)の研究員、マイケル・マクファーデン(Michael McPhaden)氏によると、ブイが収集するデータから豪雨や干ばつを予測することができ、農民は種の種類やまく時期、肥料のタイプを変えるなどの対策をとることができるという。

 インド洋のモンスーンがもたらす雨は、アジア、アフリカ、オーストラリアの農業の根幹を成しており、世界人口の約3分の1がなんらかのかたちでこうした雨に依存しているといわれている。

 しかしモンスーンは、しばしば大災害ももたらす。2008年はインドだけで、モンスーン被害により800人以上が死亡、200万人以上が避難を強いられた。米国も、太平洋や大西洋の異常気象に関係しているのではないかとしてインド洋に関心を寄せている。

 1985年から1994年にかけて太平洋にブイを設置し、エルニーニョ(El Nino)現象やラニーニャ(La Nina)現象の観測に役立てられた過去のプロジェクトを参考にしたこのプロジェクトには、オーストラリア、中国、フランス、インド、インドネシア、日本、米国、アフリカ8か国が参加している。(c)AFP