【5月5日 AFP】欧州議会選挙の電子投票実験でズラリと並んだ「孤独なハンバーガー氏」や「ティラミス氏」といったジョーク候補者の名前を見て、エストニア人は味覚をくすぐられるに違いない。

 欧州議会選挙は6月4-7日に実施される予定だが、関心はあまり高まっていない。そこで、新たなハイテク投票システムにエストニアの若者を呼び込もうと、選挙委員会がキャンペーンを立ち上げた。

 提供されている候補者のリストは、エストニア伝統料理の団子入りスープや、スコーン風の地元料理「karask」など。国際派の味覚の持ち主は、ポモドーロスパゲティやティラミス、エスプレッソコーヒーなどに投票することもできる。ちなみに、「孤独なハンバーガー氏」は、無所属の独立系候補者のイメージだという。

 エストニアの選挙委員会によると、投票実験は、最新のオンライン投票システムに障害がないか検査する機会にもなる。今回のテスト投票は5月28日から6月3日の日程で「www.valimised.ee」で行われる。

 色とりどりのメニューを用意することで、より多くのエストニアの人々にシステムの仕組みを知ってもらい、電子投票に参加するよう呼びかけることがねらいだという。

 オンライン投票では、一度投票した後も締め切り前であれば何度でも変更することができるが、有効となるのは最後に投じられた票だけとなる。また、仮に電子投票を済ませた人が、実際の投票所で投票を行った場合、電子投票が無効になるという。

 エストニアは電子投票を率先して導入しており、まもなく、携帯電話を通じて投票を行うことのできるシステムも導入する。(c)AFP。