【4月25日 AFP】米政府関係者は24日、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前政権下で米軍要員が収容中のテロ容疑者に行ったとされる虐待の模様を撮影した写真数百枚を近日中に公開すると語った。国防総省も「相当数の写真」を5月28日までに公開することに同意したことを確認した。

 米ニューヨーク( New York)の人権団体、米国自由人権協会(American Civil Liberties UnionACLU)は2003年、情報自由法(Freedom of Information Act)に基づいて写真の公開を求めたが、ブッシュ政権が拒否したため、ACLUが提訴していた。

 前年、控訴裁判所が米政府の主張を認めない判断を下したことで、米政府は写真を公開するか最高裁に上訴するか判断を迫られていたが、このたび上告を断念したため写真が公開されることになった。

 匿名の国防総省関係者によると、公開される写真は2001-2006年に米軍の要員が行った60を超える尋問の模様を撮影したものだという。

 ACLUの法務スタッフ、アムリット・シン(Amrit Singh)弁護士は23日、「これらの写真は、米軍による虐待は例外的なものではなく、イラクの旧アブグレイブ(Abu Ghraib)刑務所以外でも広く行われていたことを示す証拠だ」と述べた。

 2004年に旧アブグレイブ刑務所の収容者に対する虐待の写真が公表されると、国際的な批判を呼んだ。写真公開で、テロ容疑者の処遇についてブッシュ前政権への批判が高まることは必死だ。(c)AFP/Dan De Luce