【4月7日 AFP】6日夜、カナダの空港で盗まれたセスナ(Cessna)製の単発小型機が米領空内に侵入し、北米航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace DefenseNORAD)が緊急発進させたF16戦闘機2機が、数州をまたいで追跡を続けるという事件があった。国防省報道官がAFPに明らかにしたところによると、セスナ機は最終的にミズーリ(Missouri)州内のハイウェイ上に着陸した。

 国務省によると、NORADのF16戦闘機2機は、米東部時間午後4時43分(日本時間7日午前5時43分)にセスナ機を捕捉。侵犯機はカナダ・オンタリオ(Ontario)州の空港で盗難に遭った機体だとの報告が入っていた。

 セスナ機は不規則な飛行を続け、F16機は通信を試みたがセスナ機のパイロットは応答しなかったという。国防省発表では、セスナ機はカナダ・オンタリオ州のサンダーベイ(Thunder Bay)から飛来し、米東部時間午前3時25分ごろに米領空内に侵入し、警告に反応しなかった。

 追跡はミシガン(Michigan)、ウィスコンシン(Wisconsin)、イリノイ(Illinois)各州におよび、何者が操縦しているのか把握できないまま、米中部ミズーリ州のハイウェイ上に着陸した。

 NORADの発表によると「捕捉後、(セスナ機の)操縦士は(NORADの)戦闘機に認識を示したが、特定の通信信号に反応しなかった。米税関国境警備局(US Customs and Border Protection)からも航空機が発進し、セスナ機を捕捉したが、F16が追跡を続け、セスナ機は午後9時45分(日本時間7日午前8時45分)にミズーリ州ポプラブラフ(Poplar Bluff)北西の地点に着陸した」。
 
 米軍高官によると、セスナ機を操縦していた人物はその後、ミズーリ州内で拘束されたという。(c)AFP