【3月10日 AFP】ベルギー・ブリュッセル(Brussels)の北大西洋条約機構(NATO)本部を訪れた米国のジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領は10日、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)穏健派との対話は「検討に値する」戦略だと述べた。

 副大統領は「検討に値する。どのような譲歩がなされるかについてはわたしの答えられる範ちゅうをはるかに超えている」と述べた。また「安全で安定したアフガニスタンに参加する意図のある人びとがいるかについて関与し決定することは意義があると考えている」との見解を示した。

 バイデン氏は記者団に米軍主導の多国籍軍はアフガニスタンでの戦争で勝利はしていないものの、「敗北からはほど遠い」と強調した。

 これに先立ちNATO理事会に出席したバイデン副大統領は、アフガニスタンはすべての加盟国にとってテロの脅威だと警告し、対タリバン新戦略への支援を呼び掛けた。

 アフガニスタン・パキスタンへの新たな地域戦略について、バイデン氏は立案や具体的な支援を求めている。新戦略は早ければ4月初めのNATO首脳会議で合意される可能性もある。

 バイデン副大統領は「この地域の情勢悪化は米国ばかりでなくこのテーブルについているあらゆる国にとっても治安上の脅威となる可能性がある」と語った。

 バイデン氏はNATOのヤープ・デホープスヘッフェル(Jaap de Hoop Scheffer)事務総長や加盟国当局者とも協議した。(c)AFP