【2月22日 AFP】第81回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式が、いよいよ22日に開催される。作品賞最有力候補とされているのは、爽快感溢れる作品『スラムドッグ$ミリオネア(Slumdog Millionaire)』だ。

 この作品は、今年のアカデミー賞で最も話題を集めている。他の映画賞も独占し、オスカーに最も近いと考えられている。

 ノミネート部門数では10部門と、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生(The Curious Case of Benjamin Button)』の13部門には届かないが、専門家は『スラムドッグ$ミリオネア』の勢いは止まらないだろうとみている。

「『スラムドッグ』が負けるなんてことになれば、近年のオスカー史上最大のどんでん返しになるだろう」と語るのは、マキシム(Maxim)誌の映画評論家ピート・ハモンド(Pete Hammond)氏。同氏によれば、『スラムドッグ』は今回のアワードシーズンでは負けなしで、過去に例がないほどの勢いを見せているという。

 また専門家らは、スラム街育ちの貧しい少年がテレビのクイズ番組で勝ち上がって行くというストーリーに観客が魅了されるのだと分析する。

 主人公の少年が予想に反して勝ち上がって行く姿は、この作品がまさかのオスカー獲得に向かって前進する様子と重なっている。制作費わずか1500万ドル(約14億円)のこの作品は、出演者も無名の俳優がほとんどなのだ。

 また、この作品は当初、米国では劇場公開されず、DVDのリリースのみになる予定だった。そうなっていれば、アカデミー賞選考対象の条件から外れていた。

 作品賞にノミネートされているそのほかの作品は、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』、『フロスト×ニクソン(Frost/Nixon)』、『ミルク(Milk)』、『愛を読むひと(The Reader)』の4本。授賞式は、22日午後5時30分(日本時間23日午前10時半)にスタートする。(c)AFP/Rob Woollard