【1月29日 AFP】米スタンフォード大学(Stanford University)などの研究チームは、メールアドレスではなく、メッセージを送信したい条件を元に送信する相手を見つけ出し、受信側には、送信元が受信者のアドレスを知って送っているのかどうかを通知するメールシステムを完成した。

 コンピューターに、単に入力した文字列のみを認識させるのではなく、言葉やフレーズの関連性などデータの「意味」を認識させるセマンティック技術を利用し、データベース内やインターネット上を検索、メッセージのあて先として入力された条件にあてはまる相手を突き止め、メールを送信できる。

 このセマンティック技術を使った受信者指定方式は、スタンフォード大のMichael Genesereth準教授(コンピューター・サイエンス)とアイルランド、オーストリアの研究者たちが共同で数年前に実験を開始したが、これまでの段階で非常に成功しており、09年内にはスタンフォード大のコンピューター・サイエンス学科約6000人に試用が拡大される予定だ。

 この実験が問題なく完了すれば、米IT産業の総本山といえるカリフォルニア(California)州シリコンバレー(Silicon Valley)のほかの大学にも広がり、その後は「とどまるところを知らないだろう」とGenesereth氏は自信を持って語る。

 同氏が「メールの送信方法を変革するアイデア」だと呼ぶこのメールシステムには、すでに複数の大企業が関心を寄せているという。企業と提携先とがデータを共有する機会が増え、インターネット上の情報の信頼性が増す中、セマンティック技術を使ったEメールシステムは「ウイルスのように」増殖するだろうと同氏は述べた。(c)AFP/Glenn Chapman