【12月30日 AFP】2年間に及ぶ非常事態宣言が解除されたバングラデシュで29日、2001年以来となる総選挙の投票が、厳戒態勢のなか実施された。首相経験のある女性2人が率いる2大政党の接戦が予想される。

 選挙管理委員会によると、投票は現地時間午後4時(日本時間同日午後7時)に締め切られた。投票率は70%に上るとみられている。前回予定されていた総選挙は政情不安で延期され、軍を後ろ盾とする暫定政府が権力を掌握したが、今回はそのような事態は生じなかった。

 対立政党支持者らの衝突やイスラム過激派の攻撃を阻止するため、数十万人の警察官と軍兵士が出動する中、投票所の前には長い列ができた。

 暫定政府は腐敗した政界の再編に取り組んできたが、今回の総選挙の主要候補2人は、1991年以降交互に政権を握ってきたアワミ連盟(Awami LeagueAL)のハシナ・ワゼド(Hasina Wajed)元首相と、バングラデシュ民族主義党(Bangladesh Nationalist PartyBNP)のカレダ・ジア(Khaleda Zia)前首相で、2人の対立によりこれまで国内で混乱が生じてきた。

 2人は選挙で不正が行われる可能性を指摘しているが、投票結果は受け入れると表明している。2人はいずれも汚職容疑で拘束されたが総選挙の前に保釈された。

 バングラデシュでは、少なくとも35人が死亡した数か月に及ぶ政情不安で、2007年1月に軍を後ろ盾とする暫定政府が全権を掌握。イアジュディン・アハメド(Iajuddin Ahmed)大統領は総選挙を延期し非常事態宣言を発令した。非常事態宣言は今月17日に解除された。(c)AFP/Shafiq Alam