【12月29日 AFP】日本の調査捕鯨船団を南極海で追跡している米環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」は29日、これまで9日間の追跡により同船団の捕鯨活動の阻止に成功していると発表した。

 シー・シェパードの「スティーブ・アーウィン(Steve Irwin)」号のポール・ワトソン(Paul Watson)船長は「日本の捕鯨船団はどこへ向かっているのか分からないが、東へ移動を続けており、われわれも後を付けている。これまで1000海里(1852キロ)を追いかけてきたが、この9日間で1頭のクジラも殺させていない」とAFPに語った。同号は流氷や荒波、霧などに遭遇しながらも追跡を続けているという。

 ワトソン船長はスティーブ・アーウィン号がどの程度まで日本の捕鯨船団に接近したかについては明かさなかったが、前週26日には船団の目視専門船、海幸丸(Kaiko Maru、860トン)に対し、異臭のする混合物の入った瓶を投げ込んだ。

 この時には腐ったバターの入った瓶10本と、メチル・セルロースと色落ちしない染料の混合物の入った瓶15本が投げ込まれたほか、スティーブ・アーウィン号が海幸丸の右舷後方に体当たりし、上甲板右舷後方ブルワークが損傷したと、日本鯨類研究所(Institute of Cetacean Research)は発表した。これについてシー・シェパード側は、海幸丸が急に舵を切ったためスティーブ・アーウィン号に接触したと主張している。(c)AFP