【11月27日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)次期米大統領は、26日放送の米ABCテレビのニュース番組のインタビューで、米自動車大手3社(ビッグスリー)のト首脳が政府に公的資金による救済を訴えるためワシントンD.C.(Washington D.C.)入りした際、自家用ジェット機を使用したことを「政治音痴」だと批判した。また、金融機関の経営幹部は「責任をとって」ボーナスを返上すべきだと述べた。

 オバマ氏はインタビューの中で、責任という言葉を強調。「数億ドルに上るボーナスをもらいながら、労働者を解雇しようというなら、『われわれもある低度の犠牲は覚悟しましょう』ぐらいのことは言うべきだ」として、ボーナス返上を「責任の取り方の例」に挙げた。

 その上で、ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)、フォード(Ford)、クライスラー(Chrysler)の3社の首脳が前週、公的資金による救済を議会の公聴会で訴えるため自家用ジェットでワシントン入りしたことに触れ、「彼らは現在米国内で起きていることに少し鈍感すぎるのではないか」と指摘した。

 オバマ氏はまた、こうした鈍感さは「自動車業界だけでなく、産業界のトップ一般に言える慢性的な問題だ」「ウォールストーリート(Wall Street)の大企業から巨額のボーナスをもらい、他人の資金で大きなリスクを取る。こんなことをやっていたら、一般市民の身に起きていることなど想像もできないだろう」などと述べた。

「ビッグスリーはトヨタ自動車(Toyota Motor)やホンダ(Honda Motor)よりも利益を上げているかもしれないが、損をするのも日本企業以上だ。なにが起こっているのか理解していないからだ」

 オバマ氏は、自らが大統領に就任することで、責任という道徳的価値を取り戻したいと語り、「トップの地位に就いたら、自分の仕事に責任をもたなければいけない。地域社会や株主に対してもだ」と強調した。(c)AFP