【11月26日 AFP】地球上でいん石によるクレーターを見つけることは非常に困難とされており、これまで発見されたのは175個にすぎない。これに対し、カナダ・アルバータ大学(University of Alberta)のクリス・ハード(Chris Herd)准教授は25日の地質学会誌「ジオロジー(Geology)」上で、ささいな手掛かりからでも新たに数百か所以上のクレーターの位置を特定することができるコンピュータープログラムを発表した。

 月と火星の観測結果によると、10年ごとに小規模ないん石1つが地球に衝突すると予測されている。例えば、火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤー(Mars Global SurveyorMGS)に搭載されているカメラ(Mars Orbiter CameraMOC)は、1999年以降、火星でのいん石の衝突を少なくとも20回観測している。

 だが、地球上で確認されている175個のクレーターのうち、直径100メートル未満のものはわずか5個で、1万年以内にできたものは10個に満たないという。

 ハード准教授は2007年、新たなコンピュータープログラムを用いて、カナダ・アルバータ(Alberta)州エドモントン(Edmonton)の約200キロ西にあるホワイトコート(Whitecourt)近郊の航空測量写真から樹木や枝葉を取り除き、小規模なクレーターを発見した。

 この航空測量写真は、3D地図技術を使って森林管理企業によって撮影されたもので、樹木などを取り除いた結果、直径36メートルのお椀型のクレーターが発見されたという。このクレーターは1100年前のもので、カナダで最も新しいクレーターだということが確認された。(c)AFP