【11月25日 AFP】ドイツ・シュツットガルト(Stuttgart)の裁判所は24日、西ドイツで1970年代に殺人などに関与し服役中の極左過激派「ドイツ赤軍(Red Army FactionRAF)」の元幹部、クリスチャン・クラー(Christian Klar)受刑者(56)を釈放することを決定した。

 クラー受刑者は、殺人罪9件および殺人未遂罪11件で終身刑を受けて、1982年に収監されたが、26年の最低服役期間が終了する来年1月3日に釈放される。

 生存しているRAFの元メンバーはクラー受刑者を含めわずか2人。RAFは2人の創始者アンドレアス・バーダー(Andreas Baader)とウルリケ・マインホフ(Ulrike Meinhof)の名前から「バーダー・マインホフ・ギャング」とも呼ばれた。

 裁判所は、クラー受刑者はドイツ社会に「極度に批判的」な発言を続けてはいるものの、行動は「前向きなものへと完全に変化し」「『武力闘争』と距離を置いていることは明白だ」と説明した。

 RAFは1960年代の市民権運動から形成され、西ドイツは元ナチス(Nazi)に牛耳られ、道徳的に破滅したとして戦争を宣言。70年代以降、暗殺や爆弾攻撃、誘拐事件などを繰り返した。(c)AFP/Juergen Oeder