【11月16日 AFP】(一部更新)バラク・オバマ(Barack Obama)次期米大統領は15日のラジオ演説で、米経済はすでに「景気後退」に入っているとの見方を示し、国民の打撃を緩和する追加経済対策を早急に採択するよう米議会に呼び掛けた。

 民主党の週末ラジオ演説でオバマ氏は「必要な緊急法案が早急に議会を通過しない場合、わたしが大統領として最初に着手する仕事になるだろう」と語った。

 15日にはオバマ氏の長年の盟友である政権移行チームのバレリー・ジャレット(Valerie Jarrett)共同議長を大統領上級顧問・補佐官(政府間調整担当)に指名するなど、次期政権の準備は着々と進んでいる。

 1月に発足する新政権の最優先課題は、打ちひしがれた米経済の回復だとオバマ氏が明言するなか、週末に米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で行われた20か国・地域(G20)緊急首脳会合(金融サミット)で、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領は次期政権に十分な引き継ぎを行うと約束した。

 15日のラジオ演説でオバマ氏は「世界的な経済危機には国際的な対応が必要だ」と、金融サミットを歓迎したうえで「われわれは他国と協調して行動する一方で、国内でもわが国自身の経済危機に今すぐ対応しなければならない」と第2次緊急経済対策を求めた。

 米議会は17日に再招集されるが、2月に成立した1680億ドル(約16兆3000億円)規模の減税による景気浮揚策に続く追加対策法案に、ブッシュ政権はこれまでのところ反対してきた。

■自動車業界の救済や生活者支援拡充を
 
 ブッシュ政権は追加経済対策の追求よりも、7000億ドル(約68兆円)規模の金融安定化法により米金融業界を救済することに注力しているが、オバマ氏はこの措置を住宅ローン債務者の救済にも拡大しようとしている。

 世界最大の米経済は厳密にはまだ景気後退に入っていない。しかし、2008年9-12月期の米経済は2.8%という大幅なマイナス成長に見舞われると、経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and DevelopmentOECD)は予測している。
 
 オバマ氏は議会に雇用保険がもうすぐ切れる100万人を超える失業者救済も求めた。

 また16日に放送される米CBSテレビの報道番組「60ミニッツ(60 Minutes)」のインタビューで、オバマ氏は米自動車産業の支援策を求めている民主党の動きについて「今のような状況で自動車産業が完全に崩壊すれば、大きな惨事になる。自動車産業には援助が必要だ」と強調した。同時に「無制限な支援ではいけない」と述べ、自動車業界に対する救済策は環境問題に対応した自動車開発に向けた長期的改革の一端であるべきだと語った。

 またこのインタビューのなかでもオバマ氏は、住宅ローン破産による差し押さえから債務者を保護するために政府による介入が必要だとし、そうすることで「経済全体に効果が出るだろう」と強調した。(c)AFP/Jitendra Joshi